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「ガソリン国会」の残したもの

 午後1時に始まった衆議院本会議が終わったのが4時前。民主党・川内議員の無意味なフィリバスター(審議遅延をねらった長演説)は1時間15分に及びました。先日の議長ロックアウトの時に感じた徒労感を、きょうも本会議場で痛感しました。思えば昨年の参院選後、衆参ねじれ状態になってから、何度この空しさを感じたことか。これが国会か、これが国会議員のやることか。もっとまともな国会運営ができるはずだ。しかしもう今の国会には、そんな期待は無理なようです。


 民主党はこの通常国会を「ガソリン国会」と名づけていました。そのねらい通り、国会は炎上しました。民主党の主張は、今年度からの道路財源の一般財源化と暫定税率の廃止でした。一般財源化は福田首相の決断で、まがりなりにも来年度から実現する運びとなったのは、ねじれ国会の大きな副産物でした。一方の暫定税率廃止は、4月の一か月間だけ失効し、国民生活を混乱させました。私はかねてから、今年度からいきなり一般財源化と暫定税率の廃止は無理だから、今年は議論しよう、と訴えましたが、民主党は聞く耳もたず、とにかく混乱させることを最優先したようです。
 予算は入りと出がセットです。予算が成立したのに、歳入が決まらないことが混乱の元。きょうの本会議でも野党議員は「一般財源化と首相が言うなら、この道路財源特例法案(道路特定財源制度を裏付けるもの)を修正すべきではないか」と主張します。一見、正論に聞こえますが、政策論としてはその通りながら、政治論としては、参議院では野党が法案をしっかり審議せず、修正にも応じない状況では、与党が法案を出し直したら、またまた60日の時間が必要になってしまいます。この点を、メディアは全く報道してくれません。
 地方への予算を執行するために、どうしても再議決せざるをえない。そんなことは野党議員もわかっています。わかっていながら、野党だから抵抗する。しかも参議院で多数を握っているのに、抵抗するから、余計に始末が悪い。だらだら時間がかかり、国会としての結論が出ず、結局、3分の2の再議決を行使しなければならない。なんとも不毛で、非生産的で、非効率な光景です。民間の会社なら、とっくに破綻です。
 一連の動きの中で、棚橋泰文衆議院議員らと語らって「福田提案を支持し、道路特定財源の一般財源化を実現する会」を組織し、党内のしがらみの中で骨抜きになりそうな、福田首相の一般財源化方針をなんとか支えようと、活動を続けました。執行部からは造反予備軍(そのように発言していた議員がいたのは事実でしたが)のように見られていたグループでしたが、きょうの採決では造反はゼロ。しかし「法案に賛成するかどうか、今朝まで悩み続け、髪の毛がなくなりそうだった」(1年生議員)というほど、まじめに悩み、考えた議員が多かった。
 ほとんどの議員が、一般財源化の方針と、道路特定財源制度を当面、維持する法案に賛成することの整合性に悩み、そのことを国民に説明できるかどうかに苦しみました。法案がなぜ修正できないかは、上記の通り、野党との協議の糸口がないことにつきますが、そうした政治論はなかなか国民、有権者に理解してもらえません。またメディアも伝えてくれません。悶々としてきた若手議員ですが、きのう我々と面会した福田首相が「この一般財源化を実現できなければ、自民党も公明党も明日はない」と言い切ったことで、ふっ切れたようです。
 これまでは、きょうの再議決の法案への対応が焦点でしたが、実は問題はこれからです。一般財源化と一口に言っても、税収をどのように配分するのか、これを決めることがポイントであり、難しい。昨年に決めた10年間59兆円の道路の中期計画は、需要見積もりを精査して、5年の計画に作り直すことになっていますが、そもそも来年度から道路にどのくらいの予算を投下するのか、これが大問題です。まして税制の抜本改革や社会保障との関係、暫定分を含めてガソリン税などの税率をどうするかなど、複雑な連立方程式をどう解いていくのか、ことはそう単純ではありません。結局、ほとんどが道路予算に回りました、などとなったら、国民に説明がつきません。「一般財源化を実現する会」の活動の正念場は、むしろこれからです。今年の秋から年末にかけて、与党がしっかりした改革のプログラムを作れるかどうかが、自民党のサバイバルを決めると言っても過言ではないと思います。

[ 更新:2008-05-13 ]

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