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GAKU論

救国社説そろい踏み

 自社、他社を問わず新聞各紙の社説を比較・検証する記事を、最近よく目にするようになりました。社説は各社の社論に基づいて、各社のカラーがはっきり表れるものですが、3月27日の福田首相の道路特定財源の一般財源化方針を明らかにした記者会見を受けた各紙の社説は、見事に論調が揃い、各紙とも首相の提案を評価しました(3月30日・毎日新聞の「社説ウォッチング」)。
 3月28日の各紙の社説を比較しますと、「首相新提案 次は民主党が歩み寄る番だ」(毎日)、「首相の決断 小沢代表が応える番だ」(朝日)、「首相修正提案 民主党も大胆に妥協せよ」(読売)、「首相緊急会見 民主党は政策協議に応じよ」(産経)、「首相提案踏まえ与野党は協議尽くせ」(日経)。
 普段は正反対の論調を展開することもある各紙ですが、この問題では足並みが揃いました。それはやはり、国会の停滞や与野党の協調のなさが目に余り、福田首相の新提案を機に、なんとか正常化すべきだと、心あるメディアなら考えたからだと思います。これだけではなく、首相の提案に対して「暫定税率維持が首相の主張で、(会談しても)かみ合わない」と、袖にした小沢代表の対応ぶりに、多くのメディアが批判的だったことも印象的です。
 毎日は「ガソリン代が再び上がれば、福田政権が批判を浴び、次期衆院選に有利になるということなのだろう。今の民主党にとって、道路財源問題は、選挙のための手段になっていると見るしかない」と、民主党の「たくらみ」を的確に分析しています。いずれにしても、福田首相は自民党的な常識から離れ、大胆に一石を投じました。これに野党が応えなければ、衆参ねじれ国会は、硬直したまま、国権の最高機関としての役割を果たさないまま推移してしまいます。週末のテレビで与野党の責任者が討論しても、相手のやり方をなじるだけで、一向に建設的な方向性が出てきません。そんな議論を聞かされる国民も、うんざりでしょう。年度末まで、あと一日ですが、今からでも急ピッチで与野党協議を開始し、国民生活へのダメージをできるだけ少なくする努力をすべきです。
 国政の現状を憂えるメディアの論調の一致は、それだけ問題の深刻さを表していますが、ひとりわが道を行くメディアもあります。同じ28日の社説で、わが北海道新聞は「道路新提案 どこが大胆な見直しか」との見出しで、福田提案を見事に全否定してみせました。
 「ガソリン税に上乗せされた暫定税率の期限切れが迫っているというのに、これで事態打開につながると思っているのだろうか」と手厳しい。しかし全否定した上で、最後には「これにより与野党が本格的な修正協議に入ることを期待したいところだ」と竜頭蛇尾の論理展開。なんだ、こりゃ?しかし全国紙が論調を揃えたことにあわてたのか、翌日の道新・社説は一転、「道路特定財源 折り合う道はまだある」ときた。
 「対立の中から共通点を見出して協調する。この経験が道路財源問題でも生きることを期待したい」と、優等生に変身しました。野党の主張にコミットしていた論旨から、国政の正常化を願う、ジャーナリズムとしての当たり前の主張に目覚めたのでしょうか。それはともかく、あすは3月31日、もう少し常識が通じる国会にしなければ。時間はもうありません。

[ 2008年03月30日 ]


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