「偽」の一年からの決別
2007年が間もなく終ろうとしています。漢字一字で表現した今年は「偽」でしたが、様々な偽があった中で、「年金記録問題」と「食品偽装」が筆頭だと思います。政治の世界も「まさか」が続きました。最大の事件はやはり安倍首相の辞任、そして衆参ねじれ国会です。つくづく現代で政治を担当することの難しさを感ずる日々です。
今年は1月からの通常国会と2度の臨時国会で会期は合計279日間。一年365日のうち、8割が国会という異例の通年国会となりましたが、このことは政治の意思決定にものすごく時間がかかっていることと、首相はじめ大臣が長時間、国会に拘束されていることを示しています。もちろん、国会は国権の最高機関ですから、呼ばれれば内閣は国会で説明する義務がありますが、これほど長時間、内閣を拘束する議会は他国では例がないでしょう。
一方で日本の名目GDPの世界ランクはどんどん下がり、あと2年で中国に追い越される見込みです。一人当たりのGDPも下がり、日本の経済力、国力に黄信号が点っています。国会で不祥事の追及が続く中で、日本の国際的位置づけが、どんどん低下している事実をどう考えるべきか。9月に急遽、国家の舵取りをバトンタッチした福田首相も、その後、年金記録問題や防衛省の不祥事への対応に追われ、政権としての方向性を打ち出せずにいます。
先日も地元の有権者から「年金記録問題を政治の駆け引きに使うのは、もうやめたらどうか」と言われましたが、いま求められているのは、「あら捜し」ではなく、「解決」を「実行」することだと思います。
同様に国家としての方向性を決めなければならないテーマが山積しています。@増大する社会保障のサービスの水準をどの程度にし、その財源を何によって調達するのか。A人口減少をカバーし、トータルの国力は下がっても、一人当たりの生産性が高い「高質国家」を作っていく戦略は何か。B近未来に世界の大問題となる「水」「食糧」「エネルギー」をどう確保していくのか。C世界最高水準の省エネ技術を活用して、地球温暖化対策のリーダーとなる戦略をどう構築するのか、などなど。目先のことではなく、政治として骨太の国家戦略を考えなければならないテーマがたくさんあります。しかし現実の国会は、政局優先のスキャンダル追及に明け暮れ、テレビのワイドショーを同じレベル、同じテーマで国権の最高機関が動いているのが実態です。政治が担うべき、もっと大事なことがあるはずだ。
先日、地元のある会合で支持者から「最近の石崎さんは、なんだか官僚の代弁者みたいで、国民の目線からずれてきたようだ。元報道マンとしての初心を忘れてんじゃないの」との厳しい指摘をいただきました。政治の世界の不祥事続きの弁解をしているうちに、いつしか原点を見失ってきたのだと思う。議員生活8年になろうとしていますが、段々政策決定の中枢に関わるようになり、政治や行政の現実が、テレビで伝えられるような単純は話ではない、と感ずる場面が多く(放送局出身でありながら、最近のテレビにますます違和感を感ずるようになっています)、一般の方々に対しても、ついお説教調になってしまいがちです。これは恐い傾向で、自戒しなければなりません。
政治家は選挙で選ばれ、国民の代表として、国民の代わりに政治を担当し、官僚を統制する。そんな当たり前のことを忘れがちになります。まして今の世の中、まじめに働いて税金を収めている人たちが、バカを見るようなことがまかり通っています。低所得で頑張るより、生活保護を受けた方が楽などという、おかしな現象が起きている。これでは社会が持たないし、未来がない。大学を出ても、非正規雇用しかない、なんて夢のないことではいけない。
やるべきことがたくさんあります。2008年は政治のよどみをリセットして、新規まき直しといきたいものですが、新春早々、テロ新法の決着をつけなければなりません。また国会が荒れるでしょう。3月の予算案採決の頃も、正念場です。日本という国家の未来にとって、いまやらなければならないことは何か。政治を少し客観的に、少し俯瞰して、骨太な議論をしたい。そんな2008年にしたいと願っています。
[ 2007年12月30日 ]
記事のインデックスに戻る