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GAKU論

正念場の臨時国会

 参院選の大敗を受けた臨時国会が始まりました。衆議院では与党の絶対多数、参議院では与党の大幅過半数割れという未曾有の状況での国会です。国会招集日の前日、安倍首相はオーストラリアで、テロ特措法の成否に触れて首相の「職を賭して」成立に向けて努力すること。仮に成立しなければ「首相職にしがみつかない」と発言し、辞職をにおわせました。この発言は与野党に様々な波紋を拡げていますが、私はそれだけ重い法律であり、野党も国内政局、国会対策的は発想ではなく、真の国際関係の影響を覚悟してほしい、との訴えだと認識しました。
 私も正直に言えば、たかがテロ特措法、インド洋で他国に給油するかどうかの判断だと思っていました。小泉首相も数年前、イラク支援とインド洋での給油支援の両方を打ち切りたいと言っていましたが、周囲がそんな簡単な話ではないと諌めて、継続された経緯があります。本質はテロとの戦いであり、20カ国が参加した共同オペレーションであり、日本だけが「いち抜けた」の論理では、既に国際社会で重要な位置を占め、国連安保理の常任理事国にならんとしている国として、あまりにも情けない、内向きの撤退と受け止められるのは当然です。
 私は、このテロ特措法に対する民主党の対応が、民主党が政権を取れるかどうかの試金石だと思っています。小沢党首は、とにかく政権が奪取できるかどうかの正念場だとの認識で、経済や外交・安保に関するかつての自身の政策を封印し、あえて左にウイングを広げて、安倍政権打倒に血道をあげています。共産党にもかなり配慮し、その返礼として共産党は次期総選挙で、小選挙区の候補者を半減させる方針を打ち出しました。つまり間接的に民主党を支える方針を決めたわけです。
 かつて自民党の幹事長をつとめ、湾岸戦争時に、日本の国際貢献を真剣に考えていた小沢氏が、今は自己の政治信条を放擲し、共産党を取り込むための、なんでもありの方針を打ち出す。これはある意味で、政局の人、小沢氏の面目躍如ですが、衆参ねじれ政局の中で、このことが日本の針路を過たないのか、そこが心配です。政局論理でテロ特措法に反対する民主党。国民もそれを支持する。しかし国際社会からは、国内政局のために、国際的な信義を否定する民主党、とのレッテルは貼られることは必定です。
 11月1日のテロ特措法の期限切れまで、まだ時間があります。与党内からは、現法にかわる新法を作ることで、民主党の理解を得たいとの思惑もあるようです。しかしそれも小沢党首はノーのようです。すべてが政局論理だからです。日本が世界のために何ができるか、何をなすべきか、という発想ではなく、安倍政権を倒すためには、どういう手練手管があるのか、との発想。これで政権を獲ったら、日本は世界の孤児になるでしょう。日本の政治の根幹が問われる、臨時国会です。安倍首相のきのうの不退転発言も、そこまで意識した決意でしょう。政治をまじめに考えたい。「命がけ」という言葉を、今こそ、政治家の当然の行動指針として、捉えていきたいと思います。

[ 2007年09月10日 ]


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