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GAKU論

アラスカの旅「氷河の一角」

 衆議院環境委員会の派遣で、アラスカに行ってきました(8月16日〜23日)。地球的な気候変動、温暖化の影響が指摘されていますが、そうした影響は特に北極圏のような地域に顕著に現れるとのことで、そうした現状を見てきました。滞在中に東京発のニュースとして、北極圏の氷が過去最も小さくなったとの情報が現地に伝わり、アラスカの関係者にも衝撃を与えていました。
 例えば北極グマは、氷の上でアザラシを食し、陸地で子育てをする動物ですが、北極の氷が縮小し、陸地から離れてしまうと、陸地と氷上を渡り歩く北極グマは、その生存の基盤が失われることになります。地球の温暖化が、北極グマの絶滅を招来する危険性がある。そんな話を聞きました。
 18日には、スワードという港町を出港し、フィヨルドを6時間かけてクルーズしました。途中、船からザトウクジラやシャチの群れを見ることができましたが、圧巻はホルゲート氷河が海になだれ込む地点に到達した時です。雷鳴のような大音響とともに、氷河の一角が海に崩れ落ちていく光景を目の当たりにしました。まるで地球の温暖化が、眼前で確実に進行していることを確認するようなワイド画面です。船を降り、こんどは陸路で、エグジット氷河の末端を見に行きました。ここもこの50年の間に、確実に氷河が後退し、氷の厚さも薄くなってきた実情が説明されました。
 アラスカを数日間旅して、気候変動の生々しい現実を体感することができました。アラスカの国立公園で働く科学者たちも、温暖化の問題に強い危機感を抱いていました。私は彼らの何人かに「だからアメリカも、京都議定書に参加するべきではないのか」と質しました。彼らは一様に気まずい表情を見せました。「それは政府の方針だから」と苦しい言い訳です。北極野生生物保護区の研究者は帰りがけに「私も全く同じ考えです。アメリカも京都議定書に参加すべき。研究者として忸怩たる思いです」と初めて、不都合な真実を吐露してくれました。
 冒頭、北極圏は地球温暖化の影響が顕著に現れるところと書きましたが、今回のアラスカ視察は、まさにそのことを実感する旅でした。そして温暖化対策の実行のために、国際的な協力、連携がいかに大切であるかを、改めて考えさせられました。ポスト京都の議論には、アメリカも中国もインドもしっかり参加して、世界的な枠組みを構築することが絶対に必要です。一方で、氷河の後退を目の当たりにすると、今すぐやらなければならないことが、たくさんあると確信しました。

[ 2007年08月24日 ]


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