だから社保庁を解体せよ!
社会保険庁改革法案が混乱の中、衆議院厚生労働委員会で可決されました。桜田委員長は野党議員によって、理事会室に「軟禁」され、体調をくずして医師が呼ばれる一幕もありました。私はこれまで平成12年、16年にも年金改革で同様な混乱採決を経験していますが、もういい加減に、年金制度を政争の具にすることはやめた方がいいと感じます。
今回は宙に浮いた年金の記録が5000万件余もあることが、明るみに出て、委員会でも野党から追及されました。我々与党としても、この問題を重視し、対策を検討してきました。社保庁の不祥事には馴れっこになっていますが、さすがに5000万件とは天文学的な数字です。日本の年金は申請主義といって、被保険者が申請し、内容を確認して始めて、年金が支給される仕組みです。だから社保庁の職員は、すでに年金の受給資格を持っている国民の存在を知っていても、申請主義だからという意識で、その人に受給権が発生していることを知らせることさえ、していませんでした。
今回、様々な入力ミスなどによる、誰にも帰属しない年金記録が、延べ5000万件あることが発覚しましたが、これだけの行方不明記録が存在することは、社保庁の職員はわかっていたはずです。しかしそれが大問題だという意識がない。それを公表しようとする意思もない。なにより、膨大な不明記録が増えていくことを、黙って放任してきた神経は、国の機関として信じられない不作為です。国民は国の機関が、そんなミスや巨大な不作為を犯すことを想定していません。税金であれば、とことん取りに来る。社会保険料だって、強制徴収があります。ところが収めたはずの保険料が記録されていない、あるいは記録がどこかにはあるが、どこにいったか不明という体たらく。これでは年金制度への国民の信頼が回復するはずがありません。
しかし宙に浮いた5000万件は、すでに発生してしまった、どうしようもない現実です。そのことを前提に、現実問題として、国民の不利益にならない対応を、どのように取るかが、今は大切です。そしてそうした不祥事、不作為を二度と起こさせないために、社保庁の組織改革、職員の意識改革を断行しなければなりません。25日の衆議院厚生労働委員会には、安倍首相が出席して、この記録問題への対応を答弁しました。これまで渋っていた柳澤厚生労働大臣も、かつての記録をすべて精査すると答えました。勿論、膨大な時間と労力はかかると思いますが、これは永年の社保庁の病巣を摘出する手術のようなものだと感じます。
その上で、やはり社保庁は廃止・解体以外にないと思います。だから我々が提案している改革案を、今こそ成立させなければならない。最近、社保庁改革問題でテレビに出演する機会がありましたが、私が繰り返し力説しているのは、年金の業務を司る組織の体質を変え、職員の意識を劇的に変えなければ、年金制度の未来はない、ということです。年金制度は未来永劫続きます。しかしその中味が腐っていたのでは、国民は不幸です。中味を変えるためには、社保庁を解体し、新たな組織を作り、そこで働く職員を厳選するプロセスが、どうしても必要です。不良分子を排除し、やる気のある人材だけで、リスタートすることが、国民の利益になります。民主党提案の国税庁との合併では、不良分子が排除されず、焼け太りになります。
5000万件の行方不明記録は大問題です。その解決は気の遠くなるような手作業によるしかありませんし、国民に多大な迷惑をかけることになります。しかし同時に社保庁の組織改革、意識改革の断行もやらなければなりません。今国会でどうしても、社保庁改革法案を成立させたいと改めて痛感しています。
[ 2007年05月26日 ]
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