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GAKU論

札幌市長選、市民の選択

 札幌市長選挙が告示されました。4年前、私は非常に厳しい判断で、市長再選挙に出馬しました。きのうのことのようです。最初の市長選では誰も当選者が出ませんでした。市民は誰も市長に選ばなかったということです。そういうぎりぎりの状況で再選挙出馬を決断しました。結果は敗北、上田市政の誕生です。4年間、上田市長を見てきました。はっきり言って、落第です。
 落第の第一は、市長としての資質に欠けるという点です。上田氏は市長就任直後、知人に「私は何の考えもなく、市長になってしまった。なんとか政策面で助けてほしい」と懇願しました。市長になることが目的で、市長になって、何をやるかの考えが全くなかった。
 この4年間、市の職員は戦々恐々として過ごしてきました。市の政策で、市長に何らかの意見具申した人間は、ことごとく人事で飛ばされました。政策面で素人であった市長ですが、他人から、なかんずく部下から忠告されることは、我慢がならないらしい。忠告した部下は例外なく、左遷されました。局長だった人が、次長になったケースもありました。感情人事としか、言いようがない。市の労働組合幹部は別として、市の職員にこれだけ支持されない市長も珍しい。
 上田氏は「市民自治」を主張しています。市役所が上からやるのではなく、市民参加の自治を根付かせようとの考えは当然です。しかし「市民自治」はあくまで手段であり、そこが何か究極の目的化していることに、勘違いがあります。「市民自治」さえやれば、それでいいんだ。本来の目的は、活き活きとした街を創ることなのに、市民に問いさえすれば、そのプロセスさえ踏めばいいとの考え。全くの形式主義です。
 経済面で完璧に無策であることも深刻です。普通、市長を1期やれば、地元の経済界はある程度、支援するものです。ところが今回の市長選は、地元経済界はこぞって清治まさと氏を支援しています。それは自民党が野党だからなどという理由ではない。商売をしている者、働いている者が、今の市長に「ノー」を突きつけている。経済原則として、生活実感として、現市政ではだめ、との実感を多くの市民が持っています。私も帰宅時のタクシーで、運転手さんに市政に対する意見を聞きますが、上田氏を支持する声は、ほとんど聞きません。その理由は、経済無策につきます。
 今回の市長選の争点は明白です。この札幌をどうしていくのか。清治まさと氏は国土交通省の高官でした。その清治氏が札幌の活性化に、様々なプロジェクトを提案している。しかも札幌市の負担は、ある程度リーズナブルな範囲で事業ができるとの主張です。対する現職・上田氏は、これだけ借金がある札幌が、そんなプロジェクトなんかできない、借金を減らすことが至上命題だ、借金を子孫に残すな、との反論です。
 財政の許容範囲で呼び水を出し、札幌市の経済を活性化させようという清治氏。札幌市の財政状況は危機的で、何もしない方がいいとの上田氏。私はぜひ、両者の政策、主張を公平に市民に比較してもらって、最終判断をしてもらいたいと願っています。初手から知名度の差で、結果が出ることは札幌市の今後にとって、いいことではないと思います。
 上田氏については、日の丸、君が代、自衛隊を否定することが、190万都市の首長として、いかがかとの視点もあります。29年間、年金保険料を払っていなかったという、法律を守る弁護士として、信じられない過去も糾弾されなければならない。しかし何よりも、今後の都市経営の力量を、市民が冷静に比較して判断してほしい。様々なプロジェクトを実施する際の、財源の捻出の知恵、ひきだしが、悲しいかな上田氏にはない。清治氏には、長年の経験で、それがある。そこの違いが大きいと思います。その違いが、今後の札幌市を決定付けると思います。だから、この市長選での市民の判断は重いのです。

[ 2007年03月26日 ]


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