自民党 HOME 公約 GAKU論 プロフィール ご意見箱 リンク 永田町日記 後援会
GAKU論

難病対策の苦しい判断

 議員生活は間もなく丸7年になりますが、秋に党の厚生労働部会長に就任して以来、これまでで最も忙しい毎日を送っています。国政の中で厚生労働部門は最重要課題であり、かつ難しいジャンルですが、最近だけでも「社会保険庁改革の取りまとめ」「厚生年金と共済年金の一元化」「来年度予算における2200億円の削減」「分娩の無過失補償制度の創設」「道内過疎地の病院経営への支援策」「ドクターヘリ推進法案のとりまとめ」「カネミ油症対策」「基礎年金国庫負担の引き上げ」「児童手当の乳幼児加算の実現」「難病対策」などなど。毎日、たくさんの会議があり、連続して役所の説明、報告、打ち合わせ、そして関係者からの陳情、要請ラッシュなど。私の議員会館の部屋は、資料の山で、足の踏み場もないくらいです。
 きのうは夕方、公明党の古屋部会長とともに、厚生労働省の石田副大臣を訪ね、難病対策の見直し撤回を要望しました。今回の見直しは、治療費が公費負担となっているパーキンソン病と潰瘍性大腸炎について、厚生労働省の特定疾患対策懇談会が中程度の症状の患者を対象から外すよう提言したことが発端で、患者団体から支援の継続を求められてきました。現在の国の難病対策とは、あくまでも研究費という位置付けであり、原因も治療法もわからず、患者も少ない難病に対して、治療研究を支援するためのスキームであり、本来の福祉的な病気支援とは、別次元のものです。
 国の言い分は、原因もわからず、患者数も少ないから、その研究を支援するのであって、例えばパーキンソン病の場合、患者は7万人を超えているので、他の一般的な病気とかわらず、パーキンソンだから支援する根拠がなくなりつつある、というものです。パーキンソン病は症状の程度によって、軽い1から重症の5まで5段階あり、現在、3〜5段階が公費支援の対象ですが、全体の半数を占める段階3を対象から外すことで、予算不足に対応したいというものです。パーキンソン病だけでも、毎年およそ5千人の患者増となっており、早めに手を打たないと、予算がパンクしてしまう危機感があります。
 一方、難病の世界では、この医療支援を受けていない病気が、まだたくさんあります。そこには患者数がもっと少なく、治療方法も未確立なものが含まれています。そうした病気の患者さんからは、一日も早く指定してほしいとの切なる願いが寄せられています。難病対策全体の予算は伸びない。患者数が増えたパーキンソン病への支援を減らさない限り、新たな疾患への支援はできない。これが現状です。
 この1か月間、色んな声を聞いてきました。現に今、医療支援を受けているパーキンソンの患者に対して、患者数が増えたから、打ち切りますと言えるのだろうか。そんな葛藤の中で、厚生労働省との綱引きが続きました。11日の難病対策議連では患者団体の要望を聴取し、12日の党の厚生労働部会では多くの議員から意見を聞きました。そして最終的な対応は私に一任されていました。私の最終判断で、難病患者の皆さんの命運が決まる。大変な責任です。
 きのうの厚生労働省への要請は、@現在、支援を受けている患者への対応は継続せよA新たな疾患への支援も検討せよB財源不足解消に努力せよ、の3点です。私自身、虫のいい要請だと自覚しています。予算を増やすのは与党の仕事。この一月間、様々努力してきましたが、他にもガン対策、肝炎対策などの必要性が叫ばれ、わずかな隙間も見出せない状態です。一方では、道路特定財源の話を聞いていたら、いとも簡単に2兆円だ、3兆円だ、という話になる。難病は1億円をひねり出すのに、四苦八苦です。
 きのうはパーキンソン病、潰瘍性大腸炎の患者さんへの支援を継続せよ、と要請し、来年度はその通りになりそうです。しかしその分だけ、指定を心待ちにしている、新しい疾患の患者さんの希望に応えられなくなる、苦しいジレンマ、二律背反の世界です。パーキンソン病の患者さんからは、早速感謝のメールをもらいました。しかし私は素直には喜べない心境です。難病対策全体のパイをいかに増やすか。すべての難病患者の公平性をいかに確保するか。直ちに次なる課題解決のために、検討を始めたいと思っています。

[ 2006年12月16日 ]


記事のインデックスに戻る