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GAKU論

通常国会閉幕、しかし「この国のかたち」の議論は続く

 150日間の通常国会が16日で事実上、閉幕しました。小泉政権にとって最後の国会であり、「改革、加速」をテーマに小泉改革の総仕上げを目論んだ国会でしたが、小泉首相の「総合的な」判断で会期延長がなくなり、教育基本法改正案や憲法改正の国民投票法案、防衛庁の省昇格法案など長年にわたって懸案だった法案の成立を果すことができず、私としては消化不良に終わった感じです。教育基本法も国民投票法案も、戦後60年間続いてきた、いわばGHQ体制ともいうべき占領下の遺制を、自らの意思で再構築し、「この国のかたち」を変えようとする、小泉改革の仕上げに相応しい法案だっただけに、なんとか小泉政権の間に、形にしたかったと考えたのは私だけではないでしょう。
 また特に私が関わってきた道州制特区推進法案も委員会で趣旨説明をしただけで継続審議となり、大変残念です。道州制法案も批判を受けていますが、日本の中央集権体制に風穴をあける意味で、画期的な内容を含んでおり、過小評価されていると思います。ぜひとも秋の臨時国会では成立を期したい。
 会期延長しなかった首相の真意については、メディアで色々と報道されていますが、先日も当欄でふれたように、国会を閉じることで、野党の勢いを止め、総裁選に向けた候補予定者の発言の自由を担保したいとの思いがあったと推察します。


 さてこの国会を振り返って痛感するのは、日本のタガのゆるみです。昨年からの耐震偽装事件、民主党の偽メール事件、防衛施設庁の談合事件、社会保険庁の更なる不祥事。民間ではライブドア事件から村上ファンドのインサイダー事件へと、次から次によくぞネタが尽きないものだと呆れます。
 一連の事件をひとくくりで捉えることは難しいものの、言えることは「ズル」をして、儲けようとする人間の浅ましさが、高い教育を受け、社会的地位の高い人たちの間にも蔓延していることです。「格差」という言葉も、この国会で随分取り上げられましたが、「結果の平等」を求めがちな国民感情に対して、野党やメディアが、「機会の平等」を大事にする小泉改革の影の部分を増幅してネガティブキャンペーンをはり、議論がおかしな方向に進んできたと思います。耐震偽装やホリエモン、村上ファンドの「ズル」は、小泉改革のせいだ、というのは随分と無理のある議論ではないか。我々が守るべきは、あくまでも「機会の平等」を保障し、「ズル」を許さない公正なルールを貫徹し、「ズル」を排除する実行力だと思います。


 日本は戦後長く、膨大な借金を国も地方も作りながら、「結果の平等」をもとめる擬似社会主義国家の道を歩んできたと言えます。しかしこれ以上の付け回しを将来の世代にすることは、許されない。また財政状況や人口減少、世界一の少子高齢化という悪材料の中で、国のあり方を変えていかなければなりません。それが昨年の総選挙での我々の公約である「小さな政府」路線だと思います。小泉首相も15日の国会質疑で「大きな政府路線を掲げて、政権交替ができるはずがない」と民主党を挑発しました。これに安倍官房長官が主張する「再チャレンジ政策」、つまり一度の失敗で地位が固定化することがない、復活のシステムを準備することが大切になってきます。 政治は次のリーダー選びへと移っていきますが、「格差」について間違いのない認識を持たなければ、今後の政策の方向性を誤ることになります。


 さて政局は、自民党として、まず「歳出歳入一体改革」のメニュー作り、とりわけ私が担当している社会保障分野の歳出カットをどうするかが大きな問題です。これは今後10年、20年スパンの国の経済・財政の方針を決める極めて重要な決定になります。近い将来、消費税の増税に手を着けざるを得ないと思います。これは国民全体の共通認識になりつつありますが、しかし消費税だけに頼ることは危険です。なるべく歳出を切り詰め、同時に経済の成長を促して税収を増やす。その全体の見取り図を決めなければなりません。そして夏の総裁選へとなだれこんで行きます。長い通常国会が終わり、しかも消化不良で会期末を迎えましたが、政治的にはこれからが正念場。日本の進路がかかった議論を続けていきたいと思います。

[ 2006年06月16日 ]


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