
現在の永田町最大の話題は、議員年金の廃止問題です。衆院選後、議員年金が焦点に浮上し、与野党は改革案を出し合いました。
民主党は議員年金の即時廃止、OBの年金減額、現職議員の既納付額5割返却という案。一方の自民党は将来的に年金を廃止するものの、すぐには廃止できないので、当座はOB給付のカット、現役納付の増額で凌ぐという中途半端な案でした。私も党の部会で「この案では、国民が納得しない。廃止を明確にすべきだ」と強く発言しました。
こうした流れを変えたのは、またしても小泉首相。廃止をもっと、はっきりすべきだと強く主張したと伝えられています。自民党の当初案はあっさり反故にされ、議員年金即時廃止、OB年金はそのまま国庫負担で減額なし、現職の納付金は全額返却との新たな案が出されました(OBへの給付の減額、現職の既納付金を全額返金しない点はいずれも裁判に訴えられたら、勝てないとの説明がされました)。
現在の議員年金はOB約千人に対する毎年の給付額が約30億円。現職議員742人の納付額が9億円ですので、差し引き21億円が国庫負担、つまり税金による負担となっています。この国庫負担7割という実態が、メディアの集中砲火を浴び続けてきました。
議員年金を廃止すると、当然のことながら毎月10万3千円の現職議員の納付はなくなり、OBへの給付は100%国庫負担となります。また現職議員への納付金返却は総額470億円になり、これも税金でまかなうことになります。きのうの総務会でベテランの野田毅議員は「33年間、国会議員をやってきたが、私的なことはすべて犠牲にし、家族にも苦労をかけてきた。議員年金廃止の方針に反対はしないが、自分たちがやっている仕事に対して、あまりにも卑下していないか、国民におもねていないか、そのことが気になる」との発言がありました。ベテランの議員からは、人生設計が大幅に狂う不安からか「今後は金持ちしか選挙に出られない。老後のことを考えて、変なビジネスに精を出す議員が増えるのではないか」との恨み節も聞こえてきます。
以前のがく論で私は「まず隗より始めよ3点セット」と題して@議員定数の削減A議員歳費の削減B議員年金の廃止を主張。武部幹事長、安倍幹事長代理に提言しました。その理由は、国家財政がこれだけの借金を抱えた責任は政治家にある。また今後も増税など厳しい負担増を国民にお願いしなければならない。それならばまず、政治家自身が率先して血を流さなければ、国民の改革への信頼は得られないとの思いです。私自身、議員年金がなくなれば将来が正直、不安です。政治家の待遇を、やっかみの対象にしすぎることにも問題なしとしません。しかし、それでも、議員年金は廃止すべし。議員年金廃止の意思が、自民党内から出てくるとは、思っていませんでした。総選挙大勝による責任、民主党との改革競争の中で、自民党も大きく変貌を遂げつつあります。
[ 更新:2005-10-22 ]