内閣府素案の衝撃
3月4日、5日の二日間、帯広、北見、旭川、札幌と回って自民党主催の道州制タウンミーティングに参加しました。党の道州制調査会で北海道道州制特区推進法案の審議が佳境に入っているため、各会場とも盛況で、のべ3000人の参加をいただきました。当初はこのTMまでに、内閣府が法案の素案をまとめることになっていましたが、間に合わず、中身のはっきりしないTMになってしまったのは残念です。
今回のTMで示された声を大まかに分けると、ひとつは「道州制がわからない」「情報が示されていない」こと。我々は党で連日のように、この問題を議論していますが、肝心の道民には情報が伝わっていないことがはっきりしました。もうひとつの声は「道州制は北海道経済にマイナス」「予算が減らされるだけ」という現実的な不安です。「開発局がなくなるのでは」「北海道特例がなくなる」という心配が、各地で出されました。
現状を変えることは本当に難しい。まして戦後、50年以上も道内で続いてきたシステムを変えることに抵抗が出るのは仕方がないと思います。しかしTMの様々な声を聞いていて、私は北海道の現実がそれだけ厳しいという実感を得た一方で、北海道から開拓者精神がなくなりつつあるのかなとも感じました。現状を固守すれば、北海道はうまくいく。私は逆に北海道が現状のままでは、立ち行かなくなるとの危機感から、それを打開するひとつの手法として道州制をイメージしていましたが、説明不足、議論不足から、まだまだ道民に理解を得るに至っていないと思います。
さてこのTMの翌日の6日に、内閣府は法案の素案を提示しました。それならTMで堂々と道民に提示してくれたらいいのにと文句を言いました。相変わらず「知らしむべからず」の精神です。これは地方主権をめざす道州制と正反対の考えです。その素案の内容も、道への権限移譲はわずか。それもまだ各省との調整が済んでいない生煮え状態。一方で北海道特例は5年後から段階的に減らすというもの。関係者一様に口をあんぐり。私も頭が真っ白になりました。なんだこれ?地方分権のモデル作りではなくて、行革法案、特例廃止法案ではないか。どこが道州制なんだ。ムラムラと怒りがこみ上げて来ました。
きのう(8日)の党北海道道州制検討小委でも道内外の議員から、内閣府の素案に対する批判、懸念が続出しました。町村信孝代議士は「道民にとってデメリットがはっきり見えて、メリットがぼやっとしている。特例見直し規定は削除し、特例は維持されなければ、この法案はまとまらない。今回の法案は、地方分権を進めるとか、道州制を視野に入れてというものではなく、とにかく国の出先と道の二重行政の改善という、まことに小さな部分しか扱っていない」と厳しく批判しました。また本州の議員からも「北海道が道州制の先駆けの役割を果たす効果がないといけない。現在の行政レベルを下げるようなことはだめ」と発言しています。
自民党は去年の総選挙で「小さな政府へ」との路線を訴え、大勝しました。この国会には行政改革推進法案を提出する予定です。その法案には、公務員の定数削減や特別会計、政策金融などの改革が盛り込まれています。小泉内閣はこの通常国会を行革国会にする腹づもりでした。北海道開発事業も、この法案の中で特記され、行革の対象にされています。本来であれば、地方分権のモデルとなる道州制構想も、一連の「小さな政府」政策の一環として、国の出先の合理化の手段としてしか、内閣府は位置付けていなかったことになります。勿論、道州制にはそういう側面があることを否定しません。しかし内閣府の素案は、その点があまりに露骨です。
大変厳しい政治局面になりました。時間はあまりありません。きのうの北海道代議士会では法案をなんとしても提出することで一致しました。限られた時間の中で、法案の中身を本来の趣旨に、いかに戻すか。道州制調査会事務局長の私の大きな役割だと自覚しています。
[ 2006年03月09日 ]
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