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GAKU論

忘却の政治学

 偽メール事件の政治混乱は、永田議員の辞職、前原代表の辞任、そして小沢一郎代表の誕生という展開になりました。結局、今の民主党の混乱を救うには、小沢氏の「豪腕」に頼るしかなかったんだと思います。 しかし、待てよ。あのメール事件の真相はどうなったのか?日本人は本当に忘れやすい。あるいは物事に拘らない。「水に流す」と言いますが、戦争中の「鬼畜米英」が戦後は「日米同盟」に変わる。それを何事もなかったように、すんなりと受け入れる国民性が日本人にはあるようです。政治の混乱も、誰かが責任をとって辞めると、問題はそれで終わり、それ以上、追及しない慣習があります。特にメディアはメール問題はすっかり忘れて、民主党の党首選挙に追われていました。
 なんだか、デジャビュだなあ、と感じたら、そういえば93年政局の時。あの時も中心人物は小沢一郎氏でしたが、金丸脱税問題をめぐる自民党竹下派の混乱で権力闘争が発生しました。要するに、竹下派の跡目争い。世はあげて、竹下派および自民党の金権体質を糾弾するムードが蔓延しました。ところが小沢氏のグループは、そのど真ん中にいながら、突如、政治改革という言霊を使い、批判を最も浴びる当事者でありながら、改革の旗手に変身するマジックを国民に見せたのでした。国民はすっかり、その手品に気を取られ、事の本質を忘れてしまいました。いわば共犯者が検察官になってしまった、と言えば言い過ぎか?その結果は、細川政権の誕生と、わずか8か月での消滅。
 13年後の今、主役は再び、小沢氏にめぐってきました。民主党の党首選挙が終わった時、敗れた菅直人氏はさばさばと「これでメール問題がふっとんだから、いいじゃないか」とうそぶいたそうです。メディアは一斉に小沢氏にスポットライトを浴びせ、民主党反転攻勢のヒーローに祭り上げています。
 デジャビュだなあ。2年前は年金未納で党首就任をドタキャンしたんじゃなかった?メール問題は結局、なんだったの?メディアの側も新党首とのランデブーは早々に切り上げて、頭を冷やして冷静な議論をしてほしい。人事ですべてがリセットされるのではなく、何が問題だったのかを、粘り強く追及してほしい。13年たって、日本人がまた同じ手品にひっかかるのは、余りにも情けない。

[ 2006年04月08日 ]


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