安倍VS福田
地元の会合に出席していると、最近よく自民党の総裁選挙について聞かれます。一番多い質問は「安倍さんと福田さん、どちらも出るの?」というもの。私は自民党の森派(正式には清和政策研究会という政策グループ)に所属しており、森前総理、小泉現総理、そして安倍官房長官、福田元官房長官すべて同じグループの仲間です(小泉総理、安倍官房長官は派閥離脱中)。総裁選に関する世論調査では、すべての調査で安倍さんが人気第1位、福田さんが2位となっており、しかも最近は福田さんへの支持がじわりと上げってきています。靖国問題などで手詰まりとなっているアジア外交を変化させるために、対中国、対韓国重視を唱える福田さんに国民の期待が徐々に高まってきているのだと感じます。
一方、派閥(この言葉は大嫌い。実際、かつての派閥とは大きく様変わりしています)の領袖である森前総理は「安倍だ、福田だと余り言うな」とご立腹で、何よりグループの和を大事にしたい意向です。もし総裁選に安倍、福田両氏がともに出馬するような事態となった場合、森派に所属する議員は、同じグループの仲間である両氏のどちらを支持するかで深刻に悩むことになります。誰よりも領袖である森氏が一番困り、派が分裂する事態も予想されます。
それはそうなんですが、結論を言ってしまえば、私は派閥の和よりも、この国をこれからどうするかという経綸の競争の方が、はるかに重要だと思います。例えばアジア外交について、安倍さんと福田さんで考えが違うのであれば、今後のアジア外交を具体的にどう展開していくのかを、国民に示し、堂々と議論してほしい。政策の違いに蓋をして、派閥の数を維持するよりも、その方がはるかに、日本の政治に寄与するでしょう。
現在の自民党の派閥は上述のように、かつての派閥のように、総裁候補たらんとする強烈なリーダーが物心両面で子分を養い、天下獲りををねらう組織ではありません。今の派閥はある意味で仲良しクラブであり、サロンであり、選挙互助会と言えます。人事調整や情報伝達や政策勉強の機能があり、なによりも先輩や後輩の政治家との交流によって、政治家として修練を積む場ではありますが、それ以上のものではありません。小泉氏は総裁選出馬の前に森派を離脱し、総理を終えても、おそらく森派には戻らないでしょう。
派閥の位置付けや役割が変わったわけですから、今年の総裁選を派閥単位で考える必要はもうありません。派閥に所属しているから、どの総裁候補を支持するか、思考停止して白紙委任することは、全くナンセンスです。安倍さん、福田さん、堂々と出でよ。そして徹底的に議論してほしい。
[ 2006年05月09日 ]
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